めまい|飯田橋みみ・はな・のどクリニック|飯田橋の耳鼻咽喉科・アレルギー科

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めまい

めまい|飯田橋みみ・はな・のどクリニック|飯田橋の耳鼻咽喉科・アレルギー科

めまいについて

目頭を押さえている男性

さまざまな疾患(内耳性、脳神経、全身疾患など)でめまいが生じます。特に耳鼻咽喉科で取り扱うめまいは内耳(三半規管や前庭)が原因の回転性のめまいで重心動揺計や眼振検査にて脳梗塞等が疑われた場合は神経内科や脳外科のある病院に紹介しています。耳鼻咽喉科で取り扱う代表的な疾患を取り上げます。

良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう, Benign Paroxysmal Positional Vertigo, BPPV)

説明

良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石(カルシウム結晶)が半規管内に移動する事で発症します。半規管は、頭の動きを感知する役割を持つ内耳の一部で、耳石が誤って半規管に入り込むと、そこで耳石が浮遊するために生じるめまいです。

症状

主な症状は、特定の頭の位置や動作によって引き起こされる突然のめまいです。例えば、寝返りを打ったり、顔を上に向けたり、座った状態から立ち上がったりするときにめまいが生じる事が多いです。このめまいは、通常、数秒から数分程度続き、その後自然に収まりますが、何度も繰り返す事があります。また頭を動かしていると徐々にめまいが弱くなる事も特徴の一つです。その他の症状としては、以下が挙げられます。

  • 回転性のめまい
  • ふらつき感
  • 吐き気や嘔吐

治療法

良性発作性頭位めまい症の治療には、主に以下の方法が用いられます。

めまい体操

耳石を元の位置に戻すための特別な頭位の動作療法です。医師の指導のもと、患者は特定の順序で頭を動かす事で、耳石を半規管から取り除き、めまいを改善します。

薬物療法

めまいが激しい場合には、抗めまい薬や抗ヒスタミン薬が処方される事があります。ただし、薬物療法は症状の緩和を目的とし、根本的な治療にはなりません。

観察と経過観察

一部のケースでは、時間とともに症状が自然に改善する事があるため、経過を観察する事も選択肢となります。
多くの場合、適切な治療を受ける事で良性発作性頭位めまい症は改善しますが、再発する事もあるため、症状が再発した場合は医師の診断を受ける事が推奨されます。

前庭神経炎(ぜんていしんけいえん, Vestibular Neuritis)

説明

前庭神経炎は、通常ウイルス感染(例えば、風邪やインフルエンザ)が原因で発症します。ウイルスが前庭神経に感染すると、神経が炎症を起こし、正常なバランス機能が妨げられます。この病気は突然発症し、持続的な強いめまいを引き起こすのが特徴です。

症状

前庭神経炎の主な症状は以下の通りです。

  • 激しいめまい:突然始まる強いめまいで、体のバランスを崩す事が多いです。立つ事が難しくなり、横になってもめまいが続く事があります。
  • 吐き気・嘔吐:強いめまいに伴い、吐き気や嘔吐が現れる事があります。
  • 平衡感覚の喪失:バランスを保つのが難しくなり、歩行が不安定になる事があります。

治療法

前庭神経炎の治療は、主に症状の管理とリハビリテーションが中心となります。

薬物療法

めまいや吐き気を緩和するために、抗めまい薬や制吐薬が処方される事があります。
また、炎症を抑えるためにステロイドが処方される事もあります。

めまい体操

症状が安定してきたら、バランス感覚を取り戻すために前庭リハビリテーションを行います。これは、頭や体を特定の方法で動かす事で、脳が平衡感覚を再学習するのを助ける治療法です。

経過観察

前庭神経炎は通常、時間とともに自然に改善しますが、リハビリテーションや薬物療法が有効です。症状が長引く場合は、さらに専門的な診断や治療が必要になる事があります。
多くの場合、前庭神経炎の患者は数週間から数ヶ月で回復しますが、バランス感覚が完全に戻るまでに時間がかかる事もあります。また、再発のリスクは低いものの、症状が長引く場合や再発が見られる場合は、専門医の診察を受ける事が推奨されます。

メニエール病(Ménière’s Disease)

説明

メニエール病は、内耳のリンパ液(内リンパ液)の吸収が低下して内耳の内リンパ液の圧力が高まる事で、バランスや聴覚に問題を引き起こす疾患です。
具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、ストレス、遺伝、アレルギー、免疫系の異常などが関与している可能性があります。

症状

メニエール病の主な症状は以下の通りです。

  • めまい:突発的な強い回転性のめまいが特徴で、発作は数分から数時間続きます。発作中はバランスが取れず、動く事が困難になります。
  • 耳鳴り:耳鳴りは、低音のうなり音やキーンという音が持続的に感じられる事が多く、発作が起こる前やその最中に悪化する事があります。
  • 難聴:一般的には片耳の感音難聴を生じます。低音が聞こえにくくなる事が多く、発作のたびに悪化する事があります。
  • 耳閉感:耳が詰まったように感じる症状で、耳の中に圧力がかかっているような不快感を伴います。

これらの症状は、発作が数ヶ月から数年の間隔で繰り返し発生する事があります。発作の間には症状が軽減する事がありますが、進行すると難聴が持続的になり、めまいの頻度も増加する事があります。

治療法

メニエール病には、根本的な治療法はまだ確立されていませんが、症状を管理し、生活の質を向上させるための治療が行われます。

薬物療法
  • 利尿薬:内耳の液体の量を減少させるために使用され、発作の頻度を減らす効果が期待されます。
  • 抗めまい薬:めまいの発作を和らげるために使用されます。
  • 抗ヒスタミン薬や鎮静薬:めまいの症状を軽減するために処方される事があります。
  • ステロイド薬:難治性のめまいや難聴が重篤な場合はステロイド薬の内服・点滴や鼓室内投与も行われる事があります。
生活習慣の改善
  • 塩分の摂取制限が推奨されます。これは体内の水分バランスを調整し、内耳のリンパ液の過剰蓄積を防ぐためです。
  • カフェイン、アルコール、タバコを避ける事も症状の管理に役立つとされています。
  • ストレス管理も重要で、リラクゼーション法やカウンセリングが推奨される事があります。
リハビリテーション

前庭リハビリテーションが、バランス感覚の改善やめまいの軽減に役立つ場合があります。

手術

他の治療が効果を示さない場合、手術が考慮される事があります。手術には、内耳の圧力を減少させるための方法や、前庭神経を切断する方法などがありますが、リスクと利益を慎重に検討する必要があります。

メニエール病の症状は個人差があり、治療法も症状の進行状況や患者の生活スタイルに応じて異なります。早期の診断と適切な治療が、病気の進行を遅らせ、症状の管理に役立つ可能性があります。

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