耳の病気
耳の病気
耳は大きく外耳・中耳・内耳に分けられます。耳のどこに病気があるかで症状が異なります。
まずは耳の症状で病気を考えてみます。
急性中耳炎・外耳炎・真珠腫性中耳炎など
急性中耳炎・慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎・外耳炎・外耳道癌など
突発性難聴・音響外傷・耳垢栓塞・中耳炎・メニエール病・ハント症候群など
耳鳴症・突発難聴・メニエール病・音響性外傷など
耳垢栓塞・耳管機能障害・メニエール病・低音障害型感音難聴・中耳炎・外耳炎など
メニエール病・突発性難聴・頭位めまい症・前庭神経炎・脳梗塞など
外耳道の炎症です。頻回に耳の掃除をする事や洗髪や水泳後に耳に水が残る事が原因で細菌や真菌(カビ)が外耳道に繁殖して生じます。
耳の痛み、かゆみ、耳の分泌物、聴力低下など。
抗菌薬や抗真菌(カビ)薬の使用、耳の清潔を保つ事が重要です。難治性の場合は洗浄して分泌物を洗い流す治療が重要です。
耳垢がたまり、外耳道を詰まらせる病気です。入浴後に綿棒で清掃した後になりやすいです。
耳の詰まり感、聴力低下、耳鳴りなど。
耳垢の除去が必要です。なかなか奥の耳垢は取りにくく鼓膜を損傷する可能性もあるので医療機関での処置が推奨されます。
耳介(耳の外部の部分)の軟骨膜の炎症です。外傷(柔道・レスリングなど)や感染が原因となります。アレルギーによって起こる場合もあります。
耳の赤み、腫れ、痛みなど。
抗菌薬やステロイドの投与が必要です。血がたまった場合は外科的な処置が必要になる事もあります。
外耳道内に異物が入り込んだ状態です。特に子どもに多いです。
耳の痛み、耳の詰まり感、聴力低下、異物感など。
異物の除去が必要です。専門医による処置が推奨されます。
主に外傷によって耳介が切れたり腫れたりする病気です。
痛み、出血、腫れなど。
傷の手当てや縫合が必要な場合があります。
感冒や鼻風邪が原因になって鼻からウイルスや細菌が侵入して中耳炎が起こります。特に小児に多く、小児が鼻風邪で高熱が出るときは中耳炎の可能性が高いです。
耳の痛み、発熱、聴力低下、耳漏(耳からの分泌物)、耳鳴り、めまいなど。
抗菌薬の投与が一般的です。また、鎮痛薬を使用して痛みを和らげる事もあります。重症例や繰り返す場合は、鼓膜切開やチューブ留置(鼓膜チューブ)が行われる事もあります。
中耳炎によって鼓膜に穴があいて耳漏が続く状態です。
慢性的な耳漏、聴力低下、めまいなど。
抗菌薬の投与に加えて、手術(鼓膜や鼓室形成術)が必要になる事があります。
耳と鼻を繋ぐ管が正常に機能しない状態で鼓膜が陥凹したりします。開放症と狭窄症があります。
耳の詰まり感、聴力低下、耳鳴り、耳閉感などがあります。
鼻炎やアレルギーが原因の場合は、その治療が必要です。場合によっては耳管通気法や鼓膜チューブ留置術が行われる事もあります。
鼓膜に穴が開く状態。外傷や感染が原因となる事があります。
耳漏、聴力低下、耳鳴り、痛みなど。
外傷の場合は自然治癒する事がありますが、穴が大きい場合や治癒しない場合は、鼓膜形成術が行われます。
鼓膜の一部が内側(中耳)に陥凹して生じる中耳炎です。感染や骨破壊を引き起こす事があります。
耳漏、聴力低下、耳の痛み、めまい。進行すると顔面神経麻痺や髄膜炎など重篤な症状を引き起こす事があります。
手術による摘出が一般的です。適切な治療が行われない場合、深刻な合併症を引き起こす事があります。
内耳には蝸牛(音を聞き取る機能)と前庭・三半規管(バランスを保つ機能)があります。
内耳の病気では聴力や平衡感覚に大きな影響を与えます。
突然発生する原因不明の片耳または両耳の感音難聴・耳鳴り。
突然の難聴・耳鳴り・めまいなど
耳の中の圧力や機械的な変化により内耳の外リンパ液が漏れる病気です。難聴やめまいを生じます。外リンパ瘻は外傷や鼻かみ後に発生する事が多いです。
めまい・難聴:・耳鳴り・耳の閉塞感:・吐き気や嘔吐・頭痛など。
外リンパ瘻の診断は、患者の症状や既往歴が重要です。さらに聴力検査・平衡機能検査・画像診断・外リンパ液の検出などが行われます。
症状の重さや原因によって異なりますが、保存療法・薬物療法・手術療法があります。
原因や治療のタイミングに依存します。早期に適切な治療を受けた場合、聴覚や平衡感覚が回復する事が多いです。しかし、治療が遅れると聴力や平衡感覚が完全には回復しない事もあります。
耳硬化症は、あぶみ骨周囲の骨が増殖して伝音難聴が生じる病気です。進行すると感音難聴まで生じます。女性に多く思春期頃から発症する事が多いです。
難聴・耳鳴り・めまいなど
正確な原因は不明ですが、遺伝的要因・ホルモンの影響が関与していると考えられています。
聴力検査・ティンパノメトリー(中耳の圧力を測定し、耳小骨の動きを評価します。)・CTスキャン(耳の内部構造を詳細に観察するため)
手術によって聴力が大幅に改善する事が多いですが、完全な聴力回復が得られない場合もあります。