鼻・副鼻腔の病気
鼻・副鼻腔の病気
鼻は大きく鼻腔と副鼻腔からなっています。鼻の症状で病気を考えてみます。
副鼻腔炎(急性・慢性・好酸球性)・鼻腔腫瘍など
アレルギー性鼻炎など
副鼻腔炎(急性・慢性・好酸球性)・アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎など
アレルギー性鼻炎など
副鼻腔炎(急性・慢性・好酸球)・上咽頭炎など
副鼻腔炎(急性・慢性・好酸球性)・ウイルス感染・頭部外傷など
急性副鼻腔炎・上顎腫瘍など
特発性(機械的な刺激)・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・鼻腔腫瘍など
急性副鼻腔炎は、副鼻腔が炎症を起こす病気です。風邪やインフルエンザなどの上気道感染が引き金となる事が多く、ウイルスや細菌が原因となります。
細菌感染が疑われる場合、抗生物質の治療が推奨されます。
生理食塩水などを用いた鼻洗浄が効果的です。
顔面痛や頭痛がある場合は、鎮痛剤が使用されます。
鼻詰まりが強い場合には、鼻粘膜の腫れを抑える点鼻薬や経口薬が使用される事があります。
急性副鼻腔炎は、適切な治療を行えば数週間で回復する事が多いです。
しかし、症状が悪化したり、長引いたりする場合は、慢性副鼻腔炎に進行するリスクがあるため、早めに耳鼻咽喉科を受診する事が重要です。
急性副鼻腔炎が適切に治療されなかった場合や、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲、鼻ポリープなどの基礎疾患が原因となって副鼻腔炎が持続した疾患です。
抗生物質の少量長期治療が行われる事があります。
鼻水や痰の排出を助けるために去痰薬が処方される事があります。
アレルギーが原因の場合に用いられます。
炎症を抑えるために点鼻薬が用いられます。
生理食塩水などで鼻腔・副鼻腔内の分泌物やアレルゲンを洗い流す事が推奨されます。
薬物療法で改善が見られない場合や、ポリープや鼻中隔弯曲が原因である場合、内視鏡を用いて副鼻腔を開放する手術が行われます。
慢性副鼻腔炎は治療に時間がかかる事が多いですが、適切な治療を続ける事で症状の改善が期待できます。
好酸球という白血球の一種が原因となって生じる副鼻腔炎です。この病気は、通常の慢性副鼻腔炎とは異なり、喘息などのアレルギー疾患と関連しています。好酸球性副鼻腔炎は、難治性の副鼻腔炎で、国の指定難病にもなっています。好酸球性副鼻腔炎には、下記のような臨床的特徴があります。
ステロイド薬(点鼻薬、内服薬)が使用され、炎症を抑えます。また、抗ヒスタミン薬や抗生物質が補助的に使用される事もあります。
生理食塩水などで副鼻腔内の分泌物やアレルゲンを洗い流す事が推奨されます。
薬物療法が効果を示さない場合、副鼻腔手術(内視鏡下副鼻腔手術)が検討されます。
重症例には、抗IL-5抗体製剤(デュピクセント®️)などの生物学的製剤が使用される事があります。これは、好酸球の活動を抑制する事で、炎症を軽減します。(手術後の再発症例に適応)
早期の診断と適切な治療が重要で、特に喘息を併発している場合は、専門医による治療が推奨されます。
多くは機械的刺激(くしゃみ・鼻かみ・鼻をいじる)で発生する場合が多い。それ以外に通常の処置では止まりにくい、頻繁に起こる症候性鼻出血があります。
鼻を強くかんだり、鼻粘膜に傷をつけた時。
冬季や乾燥した環境。
鼻腔内の血管が異常に拡張している場合や血管が表面近くに存在する場合。
外傷により鼻骨骨折や顔面骨の骨折の時。
高血圧の場合。
血友病やワ-ファリン・バイアスピリンなどの抗凝固薬を使用している場合。
腫瘍が鼻腔内に存在する場合。
難治性鼻血の主な症状は、以下の通りです。
鼻血の治療には、原因に応じたさまざまなアプローチが取られます。
鼻血が出た際には、頭を前に傾けて、鼻のやわらかい部分をつまんで圧迫する事で出血を止める事ができます。
また冷やす事も効果的で、特に鼻の付け根や首の後ろを冷やす事も有効です。
血液凝固を促す薬や血管収縮薬の投与。
出血している血管を焼き固める方法。
ガーゼ等を鼻に詰めて、物理的に出血を止める方法です。
嗅覚障害の原因は副鼻腔炎、ウイルス感染、外傷、加齢などが関与します。
嗅覚障害の原因は多岐にわたりますが、以下のようなものがあります。
慢性鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープなどが嗅覚障害を引き起こす事があります。
インフルエンザなどのウイルス感染症後に嗅覚が低下する事があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は嗅覚消失を引き起こしました。
頭部の外傷により、嗅神経が損傷し、嗅覚が障害される事があります。
アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の初期症状として嗅覚障害が現れる事があります。
一部の薬剤が嗅覚障害を引き起こす事があります。
加齢に伴って嗅覚が徐々に低下する事があります。
脳腫瘍、脳血管障害などが原因で嗅覚障害が生じる事があります。
治療は原因に応じて異なりますが、以下の方法が一般的です。
鼻や副鼻腔の炎症が原因の場合、抗ヒスタミン薬、抗生物質、ステロイド薬などを用いて治療を行います。鼻ポリープがある場合は、外科的に除去する事があります。
鼻洗浄は、鼻や副鼻腔を洗浄して炎症を軽減するのに役立ちます。
嗅覚を徐々に回復させるために、特定のにおいを繰り返し嗅ぐ「嗅覚トレーニング」が推奨される事があります。
薬剤が原因と考えられる場合、医師と相談の上、薬剤の変更や中止を検討します。
嗅覚障害の予後は原因に大きく依存します。嗅覚障害が疑われる場合は、早期に医師の診察を受け、適切な治療を受ける事が推奨されます。